未来の衝撃

「未来、ですか
「私にはどうでも良い
「子供だから?
「そうでしょうね

「私は何千年生きようと…
「子供なのですから

「いえ
「何でもありませんよ

「それで
「未来の衝撃、でしたか

「予知能力?
「それは優秀ですね
「皮肉などではありません
「ただの脆弱な人間ではないのでしょう?
「それは素晴らしい
「誰にとって、ですか
「私にとって、なのですと…言って信じますか
「何故
「何故って…
「面白いじゃあ、ありませんか

「その衝撃
「私には分かってしまったかもしれません

「教えませんよ
「最期まで

「何なら、予知してみたら如何でしょう?
「絶望的な未来が見えてしまうかも
「そうなってしまうかもしれないのですが
「何も分からないよりは良いでしょう

「眠れば視える?
「嗚呼、間に合いませんよ
「それは
「貴方の眠りと共にあるのですから

「私、ですか
「永遠の7歳児です
「少女と呼ぶのもおこがましい
「本来は幼女とでも呼ぶのでしょうか
「少女で良い?
「貴方が決める事ではないのですが
「まあ…良いでしょう
「私は貴方の全てを肯定しますよ

「私は貴方の全てを否定します

「結局、貴方の予知能力では
「結果は見えなかったのですね
「それは幸運です
「互いにとって

「世界の破滅?
「間違ってはいませんよ
「ひとつの世界が破滅しますからね
「けれど、貴方の案じるようなものでは、ない
「むしろ案じられるところです

「家族はいますか?
「両親と弟…ですか
「華の女子高生…そうですか

「残念です

「いえ?こちらの話です
「ご家族にメールでも送られては?
「お父さまがお嫌いで?
「それでも、ひとこと
「感謝なり、恨み言なり

「貴方は家族のために未来を案じたのですか?
「メールの末尾にまたね、と
「嗚呼、御免なさい
「覗き見る気はなかったのですが

「大切な人はいますか?
「憧れている人などはいませんか?

「皆さんに、メールを送り終えましたね
「これが貴方の最期に行った事

「私は何か

「ただの7歳児に見えましたか
「ただの7歳児ですよ
「ただの、ね

「遠い昔に死んだはずの生贄の
「怨みを抱いて死んだはずの

「死神

「此処まで言えば分かりますね
「貴方の、衝撃
「死

「貴方は見上げた女子高生です
「身長の事ではない

「この現状においての最悪が自らの死で
「安心した
「大切な人たちの死を回避したことに
「安堵した

「さあ、逝きましょう