麗しの花園

 一緒に歩く、

 見も知らぬ少女の笑い声。

 これから、温かいところへ行くのだ。

 

 うふふ、ふふふ…。

 

 嗚呼、こんなにも楽しそうに、笑っている。

 見も知らぬ少女。

 罪も罰も知らぬような…。

 少女に手を引かれ、一歩、二歩と歩く。

 

 ここは薄ら寒い。

 雪が積もっている。

 その中で…。 

 

 真っ白い花の咲いた道。

 

 何度も同じ道を通る。

 迷ったか?

 麗しき芳香が漂う。

 それはそれで構わないだろうと思った。

 こんなにも美しい花を私は知らない。

 寒さすら気にならない。 

 

 人から奪い、栄華を極め、

 面白おかしく生きてきた。

 花を美しいなどと思いはしなかった。

 

 マダ、気ガツカナイノ?

 

 少女が嘲笑うように言う。

 どういう意味だ。

 私が何に気づかないと言っているんだ。

 

 …嗚呼、気がついた。

 花はしゃれこうべに咲いている。

 雪のような花は死体に咲いていた。

 

 急に恐ろしくなって――。

 

 逃げ出そうとして走った。

 走って、走って、走って…、躓いた。

 足元を見ると、しゃれこうべ。

 もう…。 

 

 手遅レヨ…。

 うふ…うふふ………。

 

 私はしゃれこうべになった。

 温かいところへは行けず、この花畑で身を食われる。

 柔らかい肉を全て養分として食われて…。

 

 私はしゃれこうべになった。