解体シティ

 解体シティでは、全てが解体される。

 

 テレビが解体されて、

 ラジオが解体されて、

 パソコンが解体されて、

 新聞が解体されて、

 

 世界情勢は解体された。

 それどころか、解体シティの中での情報も解体された。

 

 電話が解体された。

 携帯電話も解体された。

 言葉も解体された。

 

 人々の関係は解体された。

 直接、会うこともできない。

 

 車が解体された。

 電車が解体された。

 バスが解体された。

 自転車が解体された。

 靴が解体された。

 

 裸足で外に出る者はいなかった。

 恐れるものすらいなかった。

 

 家族が解体された。

 家庭が解体された。

 家が解体された。

 

 夢が解体された。

 現実が解体された。

 

 人が解体された。

 

 全てを解体し切ると、

 解体シティは最後の解体を始めた。

 

 旅人は巨大ながらくたの山を見て、

 不思議そうに他の旅人に尋ねた。

 

「此処には街があっただろう?」

「なくなっちまったよ。それに誰もいない」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あれ?此処に街なんかあっただろうか?」

「そういえば、なかったな。俺たちの勘違いだ」

 

 解体シティは解体シティを解体した。

 解体シティは解体シティの名前を解体した。

 解体シティは解体シティの存在を解体した。

 

 残された墓標。

 巨大な、巨大な、がらくたの山。