罪人牢獄物語

 私は作業をしていた。

 石に生えた、作物を少しずつ収穫していく。

 私は罪人だ。

 

「時間だ。牢獄に戻れ」

 

 私は牢獄に戻る。

 広い石の部屋。鉄格子。

 

 たくさんの子供たちが歩いてきた。

 私と同じ、広い牢獄へ入れられる。

 誰も声を上げない。

 

「こんな子供が、可哀想に」

 

 看守が呟いた。

 

 私たちは永遠に近く、

 此処で、

 存在しながら罪を償い続ける。

 

 それだけの理由がある。

 

 此処は親より先に死んだ、

 親不孝者という罪人の牢獄。

 

 石の農場で野菜を収穫する。

 大根は固く根を張っていて、

 抜くのが大変だった。

 

 母親に読み聞かされた、おおきなかぶを思い出した。

 

 子供たちも、思い思いに仕事を見つけて働く。

 みんな無表情だ。

 きっと、私も無表情だろう。

 

 それは罰。

 此処では最初に感情を捧げて、

 新しく生きる人に提供して、

 僅かでも罪を償う。

 

 感情を無くしてもなお、

 誰かの心に寄り添える、

 優しく立派な人間になれば、

 新しい命を得て、再び生まれる。

 

 私は毎日、罪を償い続ける。

 恐らくは父もここに居た。

 祖父より先に死んだから…。

 しかし、一度も会ったことはない。

 

 きっと、そういうことはご褒美のようで、

 許されないのだ。

 

 それとも祖父が死んだ時点で罪を許されたのだろうか。

 それとも

 …現世で罪を犯した父は地獄に堕ちたのだろうか。

 

 看守に訊いても教えてはくれなかった。

 

 私は毎日、罪を償う。

 子供たちにできない仕事を優先してやっていると、

 子供たちに慕われた。

 嬉しくなって、それを続けて、どれほど経ったか…。

 

 私は新たな母の胎内にいた。

 きっと、幸福を届けます。

 母の胎を優しく撫でると、笑った…。